空海 唐から持参の文献「三教不齋論」写本を発見(毎日新聞)

 真言宗の開祖で知られる平安時代の弘法大師空海(774〜835年)が中国・唐から持ち帰ったとされ、その後行方不明だった文献「三教不齋(さんごうふさい)論」の江戸時代末期の写本が、東京都立図書館所蔵の諸橋轍次(もろはし・てつじ)文庫にあるのを、藤井淳・高野山大学密教文化研究所委託研究員が確認した。空海が初期の著作「三教指帰(さんごうしいき)」で、仏教の重要性を説いた持論を裏付けたものとみられており、空海の研究に重要な発見となりそうだ。

 空海は「三教指帰」を24歳の時に著し、儒教、道教、仏教を比較した中で仏教が最高とする主張を展開した。空海は804年に唐に渡り、806年に帰国。その際空海が持ち帰った膨大な文献などの目録で朝廷に提出した「請来目録」が残っており、「三教不齋論」もその中に記されていたが、現物が残っていないためこれまで内容はまったく分からなかった。

 空海の思想を研究する藤井研究員は、儒教、道教、仏教の比較研究のための調査の過程で、諸橋轍次文庫にあるのを見つけた。縦25センチ、横16センチ、25ページで、文久元(1861)年に僧の良応が筆写したと書かれていた。内容も当時の唐の官僚が書いた比較思想論と判明。仏教は悟りを根本から求める点で優れているとしており、「三教指帰」と同様、仏教が最高の教えと結論づけていた。

 藤井研究員は「三教指帰で説いた『仏教が最高』という考えが、唐にもあったのを知った空海が、我が意を得たりと喜んで持ち帰ったのではないか」と話している。25日に高野山大学(和歌山県高野町)で開かれる研究会で発表する。【田原由紀雄、大森顕浩】

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